金曜日の夜。それは一週間仕事に明け暮れたものにとって、まさに勝利の瞬間である。まあ、土日も仕事の人の場合は、話が変わっちゃうんだけど。
まあ、それはいいとして、ここにも一週間がんばって仕事をしてきた若者が一人いた。名前はノブヒロ。
ノブヒロは大学を卒業して、大手の総合商社に入社し、4年がたった。毎日仕事に明け暮れている。仕事は大変だが、それでも最近は慣れてきた気がする。後輩にも結構慕われているナイスガイ。そろそろ結婚したいなとか、そんなことを考えちゃってる26歳の好青年。まあ、彼女はいないんだけど。
「よっしゃー!今週もがんばったぞ!金曜日の夜の俺は最強だぜー!」
そんなことをいいながら、ノブヒロは仕事帰りに買ってきたビールを自分のアパートで飲みながら、テレビを見ていた。
「プファーッ!最高だぜー!このために生きてるよねー!」
ビールの苦さがのどにしみるが、それがまたいい。
一週間がんばった男にとって、金曜の夜のビールほどうまいものはない。ノブヒロはそれを実感しながら、ビールの味と、がんばってる自分に酔いしれた。
そして、酔った勢いでちょっと小躍りをしたくなったので、やってみた。
「ホイホイホイッ!なぁんちゃってな!」
そんな風に浮かれていたら、次の瞬間、世にも恐ろしいことが起きたのだ。
なんと、ノブヒロはタンスの角に小指をぶつけました。
「アァァァァァーッ!!!」
ねっ。週末だからって、あんまり調子に乗ると、こうなるよ。
っていうか、人生すべてにおいて、調子に乗りすぎるとよくないことが起きる気がするよね。
だから、一週間仕事をがんばった金曜日の夜も、調子に乗らずに、静かに過ごしたほうがいいのかもしれないよね。
なんて、そんなことできるわけねーだろ!
金曜日ですよ!何のために一週間がんばったと思ってるんですか!
金曜日の夜にテレビ見ながら、ビール飲んで、調子に乗って小躍りしてタンスの角に小指ぶつけて「アァァァーッ!」って叫ぶために、男たちは一週間がんばっているのです!
それをわかってください。頼みますよ、ホント。
そして、ノブヒロはぶつけた小指をさすりながらも、再度小躍りを始めました。一度くらい小指をぶつけたからって、彼はめげない。だって、男の子だもん。
そんな感じでだんだんテンションがあがってきて、さっきぶつけた小指の痛みすら、人生を楽しむためのスパイスに感じてきた。
「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!俺ノブヒロッ!小指超痛いけど、ぜんぜん気にしないっ!」
一人で超盛り上がるノブヒロ。
30秒後。ノリにノリまくったノブヒロの小躍りが、宇宙のかなたから巨大隕石を召還してしまい、それが地球に衝突して、地球は消滅しました。
うーん、やっぱり、調子に乗りすぎると、ろくなことないよね。
――――――――― 完 ―――――――――
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